「「年収6割でも週休4日」という生き方」ビルトッテン

「「年収6割でも週休4日」という生き方」ビルトッテン



爽風上々さんのブログの書評で興味を持ったので、読んでみました。
sohujojo.hatenablog.com





表紙には、仕切りのない広いIT企業のオフィスに、鍬を持ち、長靴を履いた蝶ネクタイのアメリカ人のおじさんが笑顔で腰に手をあてて立っています。どう見ても違和感しかないです。





本の中で、いつも地下足袋を履いていると書いてありましたが、表紙で履いているのは長靴だと思います。(間違っていたらごめんなさい)



著者のビルトッテン氏は、従業員約800人、年商約200億円のIT企業アシスト(ashisuto)の社長です。



1972年に創業して以来、リストラなし、借金なしで経営を行ってきたそうです。



そんな著者が、日本社会に対して言いたいことをまとめたものがこの本になります。




著者は本のタイトルにある通り、年収6割でも週休4日のライフスタイルの提案をしています。これは、経済成長が望めない(必要ない)これからの社会で、収入が4割減ったら労働時間も4割減らそうということです。



働いていない学生がこれを提案しても「現実は甘くない」とか反論されますが、著者は経営者として実際にこの労働モデルを実行しています。(書かれた通りの労働モデルではなく、実際は週休3日ですが)



著者は全員一律に働くなと言っているわけではありません。もっと働いて仕事を覚えたい、経験を積みたい、実績を上げて給料を増やしたい、という社員には働いてもらいます。



ただ、給料を減らしても労働時間を減らしたいという社員に対して、それを選択する自由があってしかるべき、という意見です。







著者は経営者なので、経営のノウハウ的な内容が書いてあるかと思いきや、全くありません。【本当に運が良かった】これしか書いてありません。


リーダーがその権力や影響力を持てるようになった第一の理由は、運が良かったからです。これは私自身も痛感しています。

成功したのは運が良かったから、だそうです。







本の中で私が1番驚いたのは、著者自身の排泄物を利用して堆肥を作っている、というところです。農機具を置くための小屋に簡易トイレを設置して、コンポスト(堆肥化容器)におがくずを混ぜて発酵させて、堆肥にしているそうです。



これはさすがに受け入れられない、と私は思いました。




予想通り著者の妻は受け入れていないようです。やっぱり。







著者が日本に来た当時、電車に乗ると多くの人が新聞や本を読んでいて、7割を超す有権者が選挙で投票していたそうです。



調べてみると、投票率は確かに下がっていました。
総務省 国政選挙における投票率の推移↓
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/



しかし、電車内での新聞や本はどうだったのでしょうか。ネットで調べてみましたが、資料が見つかりませんでした。(私は、電車内で勉強する人の割合は変わっていないと予想しています)







本の内容は、2/3はライフスタイルの提案ですが、1/3は経済の話になっています。



経済に関しては、私は知識が少ないのでよくわかりませんでした。とりあえず、リーマンショックを予言していたことは確かでしょう。







著者は提案するライフスタイルを自ら実行しているので、好感が持てました。すごいと思いました。経済が縮小していく社会ではこういう生き方もアリかなと思いました。




「「年収6割でも週休4日」という生き方」(小学館)ビルトッテン