「知能はどこから生まれるのか? 」大須賀 公一 を読んだ感想

大阪大学の先生をしている著者が「知能とはどういうものか?」という疑問について答えた本です。この本は「環境こそが知能の源泉である」という主張について書かれています。それがこの本の内容の全てです。ただし「本書で述べている知能はあくまでも源泉で…

フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」 書評

インプレスの株主優待で手に入れて読みました。 著者はフリーランスで活躍されているイラストレーターで、これまでどのようにフリーランスとして独立して生活ができるようになったかを、マンガで描いた内容になっています。 内容はとても面白かったです。 著…

心をえぐるマンガ 専門学校JK

なんだかやる気が出ない…後でやろう…ギリギリまでゲームしよう… こんな考えになることが誰しもあるだろう。ただ、こんなことばかりしていては、まったく成長しないダメ人間になってしまう。 専門学校JKは、そんなダメ人間をかわいいキャラクターで描いたマン…

おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 書評

インプレスの株主優待で手に入れて読みました。内容は、中学生が放課後のクラブ活動でお金の話を学ぶというもので、会話形式で話が進んでいきます。中学生向けにお金にまつわる解説する本でしたが、ところどころ小説のような描写もありました。いちおう起承…

未来型国家エストニアの挑戦  ラウルアリキヴィ 前田陽二

気になった部分を適当にまとめます。 エストニアのICT構築に対する国家予算は年間70億円程度で、日本の予算と比べると1%に満たないが、電子政府の利用においてはるかに先に進んでいる。 エストニアの人口は日本の100分の一くらいなので、予算の比較だ…

2017年に読んだ本を適当にまとめる

お嬢さまことば速修講座 お嬢様が使う言葉を学べる本です。ブログやツイッターで書くためのネタを考えるのに使えるかもしれません。 失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語 サルに育てられた女性の昔話です。本当なのか嘘なのかはわかりませんが…

最近読んで面白かった本 2017/08

個別に感想を書くほどではないけれど、面白いと感じた本を雑にまとめます。 自作ゲーライフ 1人でゲーム開発したい方向けのアドバイス本です。「現実的ダウンロード数でマネタイズ」することを目標としていて、とても参考になりました。ゲーム開発に興味のな…

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書) 松尾 豊

とても人気らしいので読んでみました。 引用と感想 人工知能が人間を支配するなどという話は笑い話にすぎない。 いまの人工知能は、実力より期待感のほうがはるかに大きくなっている。 実際にできること、これからできそうなこと、これからできるかもしれな…

忙しい人のための「ゲンロン0 観光客の哲学」東浩紀

分量の多いゲンロン0を勝手にまとめました。 はじめにこの書物はすべてぼくが書きました。この書物は誤配の産物である。 第1部 観光客の哲学第1章 観光古代ギリシア以来、新しいものなどいっさいないのが哲学というものである。「まじめかふまじめかわか…

ゲームプランナー集中講座 ゲーム作りはテンポが9割(SBクリエイティブ)吉沢 秀雄

とても参考になる本でした。 引用と感想 アイデアを考えた時は、そのアイデアをプレイしている時のことを頭の中に思い浮かべて検証するわけですが、この時重要なのは「動画で考える」ってことです。(略)自分が遊んでいるとどんな気持ちになるのかを想像す…

個人的 朝井リョウ小説ランキング

朝井リョウ氏の小説を勝手に順位付けしました。 1位 何者 現代の大学生の就活を描いた直木賞受賞作品です。1番好きです。 だから、俺は絶対に言ってやらない。 2位 もういちど生まれる 5人の若者を描いた短編集です。個人的にかなり好きな作品でした。気持ち…

なぜ人はゲームにハマるのか(SBクリエイティブ)渡辺 修司 中村 彰憲

引用と感想 ゲームの定義は技術によって変化する。 ゲームを定義することは難しいことのようです。さやわか氏は著作「僕たちのゲーム史」の中で、ゲームとは「ボタンを押すと反応するもの」という定義をしていました。これも、必ずしも正しい定義ではないの…

火花 (文春文庫)又吉直樹

面白かったです。 商品の説明売れない芸人の徳永は、天才肌の先輩芸人・神谷と出会い、師と仰ぐ。神谷の伝記を書くことを乞われ、共に過ごす時間が増えるが、やがて二人は別の道を歩むことになる。Amazonより引用 感想(微妙にネタバレあり) 私は純文学をあ…

「地下室の手記」(光文社古典新訳文庫)ドストエフスキー 安岡 治子

言うまでもなく、友人たちとの親交は長続きしなかった。あっという間に仲違いし、若気の至りでまるで絶好でもしたように連中に挨拶することさえ止めてしまった。もっとも、そんなことは、たった一度きりのことだったのだが。そもそも俺は、いつも一人ぼっち…

「イデオロギーの崇高な対象」(河出文庫)スラヴォイ・ジジェク 鈴木昌

気になったところを勝手に引用します。 われわれは、根源的解決をめざすという意味では「根源的」であってはならない。われわれはつねに借り物の時間の中で隙間に生きているのであり、すべての解決は暫定的・一時的であり、いわば根源的不可能性を先延ばしし…

「人生に生きる価値はない」(新潮文庫)中島義道

引用と感想 職場における人間関係で悩む人でも、気の置けない友人の二人や三人はいるであろう。それさえいない人、世の中の誰ともうまくやって行けない人は、むしろ「才能」なのだから、それを伸ばすべきではないか。普遍的に人が嫌いなら、懸命に一人で生活…

「微分と積分 微分」kindle版(科学雑誌Newton)

この電子書籍は,2016年5月に発行されたニュートン別冊『微分と積分 増補改訂版』の一部を電子版にしたものです。 微分の基本的な概念を学ぶことができます。 微分積分を発明したニュートンの生涯、放物運動を上方向と横方向に分けることを考えたガリレオの…

「ニートがひらく幸福社会ニッポン」(明石書店)二神能基

面白かったです。 著者は、ニュースタート事務局というニート支援のNPO法人の代表です。この本は活動の中で出会ってきた若者の姿をまとめたものです。 まとめと感想 上昇志向も物欲もないニートこそが、21世紀に順応した進化した価値観を持っている。ニート…

「現代語訳 般若心経」(ちくま新書)玄侑宗久

ちなみに日本では、「般若」というとあの角の生えたお面を想いだす方も多いかと思うが、あれは女性の嫉妬の究極を表したお面で智慧とは何の関係もない。ただあのお面を得意とした彫り師が般若坊という名前であったため、「般若のお面」と呼ばれたに過ぎない…

「MAKERS」(NHK出版)クリス・アンダーソン 関美和

気になったところをまとめます 昔は発明家とされていたような人間が、今は起業家になる時代に変わった。 ゼロから発明しなくても、他者の成果の上に自分の成果を積み重ねることで、数十年かかることを数ヶ月で成し遂げられる。 特許を取るかわりに設計図をオ…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その17

人間が世の中を渡っていくようすを見てみると、自分で思っているよりも案外悪いことをし、自分で思っているよりも案外愚かなことをし、自分で目指しているよりも案外成功しないものである。176p ネガティブのすすめ これくらいの心構えで生きていくほうが楽…

「夜は短し歩けよ乙女」(角川文庫)森見登美彦

Kindleでセールをしていたので買いました。アニメ化されるということで、今話題になっているようです。 あらすじ 後輩である少女に恋をしている「私」は、彼女という城の外堀を埋めるべく日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうとしている。しかしそ…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その16

元来、人間の本性というものは付き合いを好むものだが、習慣によっては、かえってこれを嫌うようにもなる。世に奇人変人として、わざわざ辺鄙なところに住んで、世の中との交際を避ける者がいる。これを隠者という。あるいは、真の隠者ではなくても、世間の…

「限りなく完璧に近い人々」(角川書店)マイケル・ブース 黒田眞知

地球上で最も幸福で、誰よりも信頼できる、成功している人たちが目の前にいたら、どこかしら欠点があるに違いないと、X線にかけてヒビ割れを見つけようとあら探ししたくなるのが人間の性というものだ。それは、私がこの本の全編を通して抑えきれなかったかも…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その15

また、誹謗と批判とは、非常に区別しがたい。他人に難癖をつけるのを、誹謗と言い、他人の迷いを晴らし、自分が正しいと思っていることを主張するのが批判ということになってはいる。164p これですね。 https://togetter.com/li/958541 しかし、絶対の真実が…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その14

なお、このほかに、本を読まなくてはならない。本を書かなくてはならない。人と議論しなくてはならない。人に向かって、自分の考えを説明しなくてはならない。これらの方法を使い尽くして、はじめて学問をやっている人といえるのだ。 すなわち、観察し、推理…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その13

演説をすると、その内容の重要さはひとまずおき、口頭でしゃべるということ自体に、おのずからおもしろみが出てくる。たとえば、文章にすればたいして意味がないようなものでも、口で言葉にすれば、理解もしやすく、人の心を動かすものがあるのだ。古今に高…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その12

生計を立てるのが困難である、とは言っても、よくよく一家のことを考えれば、早く金を稼いで小さなところで満足するよりも、苦労して倹約し、大成するときを待ったほうがよいのだ。 学問をするならおおいに学問をするべきである。農民ならば、大農民になれ。…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その11

むかしは、世の中の物事は古いしきたりに縛られて、志のある人間であっても、望みに値する目的がなかった。しかし、いまは違う。古い制限が一掃されてからは、まるで学者のために新世界が開かれたかのように、日本中で活躍の場にならないところはない。農民…

「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その10

学校に入って勉強する費用は、一年間で百円にすぎない。三年間で三百円の資本を使い、それで一月五十円から七十円の利益を得るというのが、洋学を学ぶ学生の商売である。耳学問だけで役人になるものは、この三百円の資本金も要らないのだから、月給はまるま…