ホームレスの本「TOKYO 0円ハウス 0円生活」坂口恭平 を読んだ感想

この本は、東京に住んでいるホームレスを取材した本である。



0円で家を建てて、0円でテレビを見ている。そんな鈴木さんの生活を密着取材している。



鈴木さんは美枝子さんと2人暮らし。著者が取材したとき2人は宴会をしていて、焼酎を飲みながらフライパンで餃子を焼いていた。宴の邪魔をしてはいけないと思い、改めて訪問する旨を伝えると、いつでもいいよと、即答。



2日後に伺うと、熱々のおでんと焼酎で歓迎してくれた。定価15000円する保温鍋、10m✕10mの巨大なブルーシート、木材、釘、メジャー、パナソニックのCDラジカセ、小型テレビなどなど……飲食物以外は全て拾いものだという。



東京には何でもあると言う鈴木さん。アルミ缶集めで収入を得ていて、ほとんど食費に使っているらしい。



テレビが付いていて、あきらかに電気を使っているはずなのに、ホームレスの家にありがちな発電機の音がしない。なぜなのか聞いてみると、驚く答えが帰ってきた。(答えを知りたい方は本をお読みください)





まことにたくましいと思います。ホームレスになっても生きていけるものなのだなぁ…と考えさせられます。




著者は、ホームレスというのは間違っている。彼らが住んでいるのはホームだ。と言っています。



ー専門家の特別なデザインよりも、人間が元から持っている本能的な生活デザインの方が、これからライフスタイルが変化していくであろう中で、多くの示唆に富んでいることが分かる。そして、鈴木さんの家や生活にはその中でも特に考え抜かれたアイデアが詰め込まれていたのだ。ー



ーお金を払ってただ買うだけの存在になってしまった現在の家と、都市のゴミを材料に自分だけの空間を自力で作ろうとする0円ハウスの間に、ドカンと横たわる矛盾が見えてきた。ー



建築家が設計した現代の家は住みよい。しかし、ホームレスの設計した家は彼らの生活に実にフィットしている。家は普通、頼んでつくってもらうものだが、自分でつくることもできるのである。この本を読んでいて、家を一から自分でつくるのも面白そうだなと思いました。






鈴木さんの話で驚いたのは、1番恐れているものが、寒さでもなく、貧困でもなく、少年だということです。ロケット花火で火事を起こしたり、自転車で家を潰そうとしてくるそうです。(恐ろしい……)



少年の精神的な歪みが、こんなところへ向けられているというのは、とても悲しいです。弱いものいじめをするのは人間の性なのでしょうか。



ただし、鈴木さんはしっかりと対応策を練っていて、撃退して親と一緒に謝罪させているそうです。すごい。






鈴木さんのお湯を作ると人が集まる話は面白かったです。


あと、家の形が作る人ではなくその場所が持ってる固有性によってつくられるというのも、興味深かったです。


本では他にも、鈴木さんの生活の知恵や著者がなぜこんな本を作ったのかが書いてあります。




「ホーム」について考えさせられる不思議な本でした。




「TOKYO 0円ハウス 0円生活」(河出文庫坂口恭平


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