この本は、大人達に向けて若者を解説する本です。今の若者を理解していない人に対して、理解してもらうために書かれています。
まず、本では「社会の若者離れ」を指摘しています。若者が思い通りに動いてくれないのは、そもそも、大人達が若者を向いていないからだと述べています。
多数派である大人達に対して社会全体が最適化されていて、若者に対して向き合うサービスが減ってきている。若者の○○離れと言われるが、むしろ大人が若者から離れているのではないか。
数が多くて権限を持っている大人に対して、数が少なくて権限のない若者は萎縮せざるを得ず、意見を通しにくくなります。
若者の意見が通らず、大人の意見ばかりが重視される社会では、社会は発展せず、ガラパゴス化していきます。若者特有の感性とアイデアを活用しなければ、社会に変化が起きず停滞してしまいます。
社会の発展のためには、大人が若者と対話することが大切である。というのが、この本の主張です。
若者である私としては、大人達が若者に向き合ってくれるのは、とても嬉しいです。若者と大人が互いに向き合って対話をしなければ、社会は良くならないと思うので、この本の主張には、賛成です。
本では、十人十色の若者をクラスターに分類しています。
自己プロデュースキャラ
SNSめだちたがり
超リア充
みんなのムードメーカー
マイペースキャラ
正解さがしさん
ガチオタ
ネトゲ充
ぼっちキャラ
大衆キャラ
現代の若者は、このいずれかに属しています。(今の私はぼっちキャラかな?)
ガチオタ、ネトゲ充、ぼっちキャラ、大衆キャラはコミュニケーションが少なく、あまり人に興味がありません。
それ以外のクラスターは、オープンな場に現れることが多く、SNSコミュニケーションに特徴があります。
本では、SNSに投稿された写真を分析して、個々人の性格と主張を解説しています。非常に分かりやすく、納得できる解説でした。
本では、若者は自分主語だけでなく共感主語で話す、と言っています。【私がどう思うか】よりも【私たちがどう思うか】が価値基準になっていて、みんなが支持していること、一緒に楽しめることが、モチベーションになっている。
SNSに写真をアップするときも、自分のことだけを考えてアップするのではなく、友人とのコミュニケーションをどれだけ豊かにするか、どんなリアクションをまわりからもらえるかなども重視している。
ただし、私たち(WE)を重視する反面、私(I)を肯定してもらえることが少なくなっている。
なので、大人達は若者が肯定してほしい(I)をゆるく肯定してあげることが大切だと言っている。
「上司が言ったから」ではなく「私はこう思う」とか
「若者は〜」ではなく「あなたは〜」とか
「いいからやれ」ではなく「私はこう思う」とか
(WE)の理論ではなく(I)の理論でコミュニケーションをとると、若者は信頼してくれる。と言っている。
全くもってその通りだと思いました。
ジェネレーションギャップは必ずあるし、なくなることもないと思いますが、お互いに歩み寄って、コミュニケーションをとろうとする意欲を消さないように気をつけるべきだと思いました。
私も、気をつけようと思いました。
若者が理解できない大人に読んでもらいたいです。
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