「減速して自由に生きる」 高坂勝

著者は小さなバーを営む経営者で、緑の党の初代共同代表です。脱・経済成長のライフスタイル&ビジネススタイルの提案をしています。

本は、緑の党の主張を説明している内容に感じました。なんとなく宗教っぽさを感じました。(宗教が悪いというわけではないです)





中盤で、居酒屋を営む年収300万円(月収25万円)のライフスタイルの提案をされていましたが、私には無理です。車もいらない、テレビもいらない生活は嫌です。メリットばかりを主張していてデメリットの説明がないのは悪印象でした。

著者は冬期湛水・ 不耕起栽培を行っていて、自然界の力のままに育てる農法をすすめています。これも、メリットばかりを主張してデメリットの説明がありませんでした。悪印象でした。

患者や病気が減ってこそ医療機関やお医者さんが儲かるシステムになったらいいと思います。

これは私も賛成です。予防医療の重要性はもっと広まるべきだと思います。昔観たカンブリア宮殿で熊谷崇氏(歯科医)が「虫歯を減らす予防医療をしようとすると、虫歯治療よりも患者さんの負担する費用が高くなる」と言っていました。これは改善されるべきだと思います。

しかし私は、好きも嫌いも、何でも言います。政治の話もします。宗教の話題にも触れます。(略)ちなみに私は、いろいろな考えの人がいてこそ健全な社会だと思っているので、私と対峙する考えの方が来店しても大歓迎です。同じ考えの人だけと話すよりも、違う意見の人と話したほうが知識や知恵が増えるし、相手の考えの根拠を知ることもできます。全員が同じ考えになるほうが、よっぽど怖いと思っています。(略)他者を受け入れる気持ちを大切にしてさえいれば、好き嫌いを表現することをはばかる理由もありません。

これも共感しました。私もそう思っています。実行するのは簡単ではないですけど。






こういう類の本を読んでいて思うのですが、低収入で構わないという主張をされている方は、妻にも収入があるという人が多いです。結局、他人と上手くやっていけない人への解決策ではないわけです。"1人でも生きていけます"とか主張している本はないのでしょうか。

1人でやっていける人は本を書かないからかもしれません。できれば書いてください。私が買って読ませていただきます。お願いします。






著者自身に不快感は感じませんでしたが、本の内容は少しキラキラしていて宗教っぽかったです。それを狙って書いたのだろうか。


減速して自由に生きる(ちくま文庫)高坂勝