この電子書籍は,2016年5月に発行されたニュートン別冊『微分と積分 増補改訂版』の一部を電子版にしたものです。
微分の基本的な概念を学ぶことができます。
微分積分を発明したニュートンの生涯、放物運動を上方向と横方向に分けることを考えたガリレオの話、デカルトやフェルマーが作り出したとされる座標の話、微分法の鍵をにぎる接線の話、微分積分が飛行機を飛ばしている話など、微分に関する基礎知識と雑学を学ぶことができます。
感想
高校の時に接線の傾きを求める方法を習ったはずなのですが、完全に忘れていました(笑)。これを読んで思い出しました。
皆さんは接線の傾きの求め方を覚えていますか?
y=x
y=x2
y=x3
y=x4
の式を解き続けていくと、ある法則が見つかります。
それは
y=xnの式を微分するとy'=nxn-1になるという法則です。
つまり
y=xの微分は1
y=x2の微分は2x
y=x3の微分は3x2
y=x4の微分は4x3
になるということです。
微分=接線の傾きなんです。
y=xの接線の傾きを計算すると1になります。
y=x2の接線の傾きを計算すると2xになります。
y=x3の接線の傾きを計算すると3x2になります。
y=x4の接線の傾きを計算すると4x3になります。
では、y=x2の接線の傾きを計算してみます。
y=x2はこんなグラフです。
ここで点Aの接線の傾きを考えます。
点Aは線上を動いているとします。
点Aが動いた時間をoとすると
点Aは(10,100)から点A'(10+op,100+oq)へ移動します。(ただし、ここで移動時間oは限りなく小さいものとする)
点A'(10+op,100+oq)の座標を式に代入します。
y=x2
(100+oq)=(10+op)2
100+oq=100+20op+o2p2
100-100+oq=20op+o2p2
oq=20op+o2p2
oで割ると
q=20p+op2
pで割ると
q/p=20+op
oは限りなく小さいので0になる
q/p=20
よって傾きは20になります。
皆さん覚えていましたか?
では、今度は点A(a,a2)で考えてみます。
点Aは線上を動いているとします。
点Aが動いた時間をoとすると
点Aは(a,a2)から点A'(a+op,a2+oq)へ移動します。(ただし、ここで移動時間oは限りなく小さいものとする)
点A'(a+op,a2+oq)の座標を式に代入します。
y=x2
(a2+oq)=(a+op)2
a2+oq=a2+2aop+o2p2
a2-a2+oq=2aop+o2p2
oq=2aop+o2p2
oで割ると
q=2ap+op2
pで割ると
q/p=2a+op
oは限りなく小さいので0になる
q/p=2a
よって傾きは2aになります。
つまりy=x2の微分は2aになります。
y=x2の微分は2aであることが計算できました。
最後に
雑誌では、ほかのy=x3の接線の傾き、y=x4の接線の傾きの計算も書いてありました。さらにコラムで「東京マラソンで全員が最短時間でスタートを切る方法」というのも書いてありました。興味深かったです。
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