心をえぐるマンガ 専門学校JK

なんだかやる気が出ない…後でやろう…ギリギリまでゲームしよう…


こんな考えになることが誰しもあるだろう。ただ、こんなことばかりしていては、まったく成長しないダメ人間になってしまう。


専門学校JKは、そんなダメ人間をかわいいキャラクターで描いたマンガだ。



著者が代々木アニメーション学院(代アニ)に通っていた経験をもとにその内情を描いているのだが、これがとてもえぐい。


代アニに通う専門学校生のどうしようもない部分を、こちらが恥ずかしくなるくらいさらけ出している。



今日から頑張ると言って何もしない

毎日絵を描くという目標を立てて描かない

入学してすぐに夢をあきらめる






代アニは、声優タレント科、アニメーター科、イラスト科、マンガ科など多数のコースがあり、高校卒業資格を得られる高等部もある。このマンガのストーリーは、主人公の大宮はるこが高等部のイラスト科に入学するところから始まる。

入学の日に「今日から毎日絵を描くぞー!」という誓いを立てる。しかし、描かない。声高らかに宣言したのに、書かない。典型的なダメ人間である。「どうしたら絵で人に感動を与えられるのかを考えてたから描かなかった。」と言い出す始末。どうしようもない。

しかしこれは主人公だけでなく、代アニに通う学生の多くに当てはまるらしい。

「今日から頑張るぞー!」と言って、ゲームで遊ぶ。声優を目指すために代アニに入ったものの、なんか違う…と思って入学後すぐに転科する。転科したあとも、 なんか違う…と思って転科を繰り返す。さらに、なんか違う…と思って転科を繰り返し続けて、目的を見失う。全員ではないものの、一定数いるらしい。

さらに


夢や目標もなくフワッと代アニに入学する


者もいるらしく、何のために専門学校へ通っているのか意味が分からない。完全にモラトリアム期間を引き延ばしたいだけである。

さらに


実力が低すぎる学生は現実を知るレベルにさえたどりつけないので自信に満ちあふれている



これはもはやどしようもない。治療の余地もない。教育の失敗である。



だが、このような人を見てみなさんはどう思うだろうか。わが身を振り返ってみると、同じような考えをしていることはないだろうか。誰しも楽して生きて行きたいし、嫌なことからは逃げたい。頑張ろうと思っても頑張らずに、現実逃避ばかりしてしまうことはないだろうか。

他人のことを笑っていたら、気が付けば自分の心がえぐられている。専門学校JKはそんなマンガである。


単純な読み物として楽しむのもよし、専門学校の内情を調べるために読むのもよし、自らを戒めるために読むのもよし、、、

とても面白いマンガでした。