「夜は短し歩けよ乙女」(角川文庫)森見登美彦

Kindleでセールをしていたので買いました。アニメ化されるということで、今話題になっているようです。




あらすじ

後輩である少女に恋をしている「私」は、彼女という城の外堀を埋めるべく日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうとしている。しかしその彼女はなかなか「私」の想いに気づいてくれない。2人は奇妙な人物に出会い、奇抜な事件に巻き込まれてしまう。恋愛ファンタジー。

wikipediaより引用


感想


純粋な恋愛ストーリーかと思いきや、片思いをこじらせた主人公が、好きな女の子をストーカーするという話でした。Σ(゚Д゚)


ストーカーといってもバレないように後ろから尾行するということではなく、偶然を装って女の子とばったり会うことを夢見て外を出歩くという意味です。アプローチしたいけれどできないシャイな男性が描かれています。


これを現実でされたら女性はどう思うのでしょうか?とても気になりました。


仮に私がこれをされたら、相手のことを半ストーカーだと認識します。実害がない限りは放っておくと思いますが、ややこしい感情になることは間違いないです。でも、この程度のストーカーなら気づかないかも?


人によってはストーカーだと思わないで、好きになるパターンもあるかもしれません。※



もう一人の主人公である片思いされている彼女は、とてもたくましい人間でした。酒豪で病気に強い、誰に対しても優しい、演技が上手い、心が純粋。妄想でしか存在しないような人間です。


こんな人間は世の中にいないと思います。この小説は恋愛ファンタジーですが、彼女の存在自体がファンタジーだと思いました。非の打ち所のない人間とはこのような人物を言うのでしょう。




 涼み台のそばには、背の低い学生が一人立っている。四角の黒縁眼鏡をかけ、顔も四角であり、足もとに置いてある重そうなジュラルミンケースも四角であった。どこまでも角張ることが彼の信条であるらしい。

No.1185


は、読んでいて笑いました(笑)。どこまでも角張ることが信条w


この小説は、このようなクスッとくる文章がところどころに出てきます。この小説の魅力ですね。


あと、著者の別作品である「四畳半神話大系」と同じ登場人物が出てきました。これもこの小説の魅力だと思います。




最後に


ファンタジー恋愛小説なので、なんでもありだなという印象のストーリーでした。つまらないということはないですが、面白いというほどでもなかったです。個人的には四畳半神話大系のほうが面白かったです。



私にも竜巻こないかな