「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その13

 演説をすると、その内容の重要さはひとまずおき、口頭でしゃべるということ自体に、おのずからおもしろみが出てくる。たとえば、文章にすればたいして意味がないようなものでも、口で言葉にすれば、理解もしやすく、人の心を動かすものがあるのだ。古今に高い名詞名歌というのもこのタイプのもので、これらの詞歌を通常の文章に訳せば、ちっともおもしろくなくなるのだが、詞歌の約束事にしたがって形を整えると、限りない趣が出てきて、多くの人を感動させる。
 したがって、一人の人間の考えていることを多くの人に伝えるのに、スムーズにいくかどうかは、それを伝える方法におおいに関係しているといえる。

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高齢者の多くはテレビしか見ないので、高齢者に何かを伝えるためにはテレビを使う必要があります。「テレビに出ないと高齢者が話を聞いてくれない」と夏野剛さんがネットの番組でぼやいていました。そうなのだろうと思います。


私の祖父と祖母は80代で、ネットはまったくせず、テレビしか見ません。そもそも家にインターネット環境がなく、パソコンの存在も知りません。もちろんスマートフォンも知りません。携帯電話を父親が渡していましたが、まったく使わないので解約しました。


インターネット環境がない家は、田舎の山の方にいけばけっこうあると思います。インターネットを使わなくても生きていけますから。ちなみに、祖父と祖母の家にインターネットを引こうと思ったら、光回線は届かないのでADSL一択になります…。これが田舎か…。



情報を伝える手段はたくさんありますが、どの方法がもっとも効果的に情報伝達に役立つかは気になるテーマです。そういう研究されている方の本とか読んでみたいですね。


 学問はただ読書するだけのものではない、ということは、すでにみなの知っていることであるから、いまさらそれを論じる必要はないだろう。学問で重要なのは、それを実際に生かすことである。実際に生かせない学問は、学問でないのに等しい。

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文系学部を廃止するというニュースが最近ありました。役に立たないからなくしてしまおうという案だそうです。


本当に役に立たないならなくしてもかまわないですけど、役に立つものと役に立たないものを区別するのは難しいと思います。理系の分野でも、すぐに効果が現れるものもあればしばらく経ってから効果が現れるものがあります。時間が経っても効果が現れないものもあります。役に立つ役に立たないの区別をどういう判断で行うのでしょうか。


これを突き詰めると"大学はいらない"という結論になるのではないかと思っています。高校までで勉強は終わらせて、あとは会社に入って直接仕事をしながら学ぶ。効率を考えるとそれが一番良いような気がします。


大学必要ないですね。






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