「現代語訳 学問のすすめ」(ちくま新書)福澤諭吉 齋藤孝 を読んだ感想その8

 人民も政府もそれぞれの役割を果たして仲良くやっているときは申し分ないが、そうではなくなって、政府がその役割を逸脱して暴政を行うこともある。その場合、人民がとるべき行動は以下の3つのみである。
 すなわち、信念を曲げて政府にしたがうか、力をもって政府に敵対するか、身を犠牲にして正義を守るか、この三か条だ。
 第一の「信念を曲げて政府にしたがう」のは、たいへんよくない。(略)
 第二に「力をもって政府に敵対する」のは、もちろん一人の力でできることではない。必ず仲間が必要になる。これがすなわち内乱である。これは決して上策とは言えない。(略)
 第三の「身を犠牲にして正義を守る」とは天の道理を信じて疑わず、いかなるひどい政治のもとで、どんなに過酷な法で苦しめられようとも、その苦痛に耐え、くじけずに志を持ち、何の武器も持たず、少しの暴力も使わず、ただ、正しい道理を唱えて政府に訴えることである。以上、三つの策の内、この第三の策をもって上策の上とする。

96〜98p


はい。


『女大学』という本に、「婦人には三つしたがわなければいけない道がある。幼いときは両親にしたがい、嫁に行ったら夫にしたがい、老いたら子にしたがわなければならない」とある。幼いときに両親にしたがうのはもっともだが、嫁いで夫にしたがうとはどういうことなのか。どのようにしたがうのか、聞いてみなくてはなるまい。

109p


男の浮気について厳しい意見が述べられていました。離婚裁判において男が有利になっているのは不公平だという意見でした。


現在は女性の権利も認められてきていると思うのですが、どうなのでしょうか。ツイッターでもはてなでも、ジェンダー論は人の注目を集めやすいテーマだなと感じることが多いです。誰でも話しやすい話題なのかもしれません。


私は、ジェンダーは多様で(LGBTとか)かんたんに分割出来るようなものではないと思っています。男女で分けてしまうと楽ですけれど、もっと複雑に入り組んでいるものだと認識しています。


性欲は人間の欲の中でも大きな欲だと思うので、もっと多様な意見が認められればいいなと思います。


最近読んだ性の記事が面白かったのでリンクを貼っておきますhttp://gendai.ismedia.jp/articles/-/50894


孫の誕生が遅いからといって、これを子の不孝と言ってはならない。試しに世間の父母たちに聞いてみたい。息子に良縁があって、いいお嫁さんをもらったのだが、孫が生まれないと言ってその嫁を叱って、息子を鞭打ち、あるいは親子の縁を切ろうと思いますか、と。世界広しといえども、そんな奇人の話は聞いたこともない。子がないのは不孝だなどというのはそもそも空論で、議論するに値しない。人々がそれぞれ自分の心に問いかければ、おのずと答えは出るだろう。

112,113p


「ところで、孫はまだなの?」というセリフを言っている人間をすぐにイメージできます(笑)。いろんな役者さんがドラマで喋っているからかもしれません。


孫をつくることを急かすのは子不孝ですね。


結婚を急かすのも子不孝だと思います。



 



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