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「失われた名前」(駒草出版)マリーナ・チャップマン 宝木多万紀


サルとともに生きた少女のノンフィクション本です。




あらすじ


主人公のマリーナ・チャップマンは5歳の頃コロンビアのジャングルに置き去りにされました。まわりに人間はいない。木と草と動物だけの世界。


一人で生きていくことのできない少女は、サルのまねして必死に生きようとしました。まず、食べ物。


サルと同じようにバナナを食べて、サルと同じように木の実を食べて、サルと同じようにアリを食べる。イチジク、ナッツ、昆虫、芋虫…あらゆるものを食べました。


他にも、サルと同じように乾燥した大きな葉でおしりをふいたり、サルと同じような鳴き声を出したり、サルと同じように木に登りました。サルたちはなぜかマリーナを追い払おうとはせず、距離をとって見守っていました。




あるとき、マリーナに生命の危機が訪れました。からだに悪い食べ物を食べてしまったのです。


朦朧とする意識の中、1匹のサルが水たまりへ連れて行って助けてくれました。


その日を境にサルからの態度ががらりと変わります。喜んで食べ物を分け合い、毛づくろいし合い、絡まった髪の毛のなかの虫を取って食べてくれるようになりました。友達のように接してくれるようになりました。


こうしてサルの仲間になったマリーナは、そこから何年もサルとともに生活するようになります。




ここまでが最初のあらすじなのですが、とても衝撃的な内容です。主人公である著者は現在50歳をこえているので、すべてが正確な内容ではないかもしれませんが、それでも十分すごいです。


本は、1/3がジャングルの生活、2/3が人間の生活の内容になっています。ジャングルの生活もおもしろい話ですが、人間の生活もおもしろい話になっています。波瀾万丈とはこのことだと思います。




マリーナは、ジャングルに獲物を狙いに来たハンターに保護されて人間とともに生活することになります。


ジャングルでの生活はサバイバルでしたが、人間の生活もサバイバルです。当時のコロンビアは子どもを丁寧に育てる習慣がなかったらしく、奴隷のように扱われます。ひどいとしか表現しようがありません。




私が読んで一番印象に残ったのは26章の金庫の話です。偶然に偶然が重なって、著者は今生きているのだということがよく分かりました。私が今こうして生きているのも偶然の産物なのだと思います。




サルとともに生きた事実が注目されている本ですが、それがなくてもとてもおもしろくて引き込まれる内容でした。人間はたくましいですね。



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