高校受験の思い出

今はニートの私ですが、中学生の頃は普通に高校受験をしました。


受験したのは、第一志望の公立高校1校と滑り止めの私立高校2校でした。


なぜこの3つの高校を選んだかというと、家から近くて学力がちょうどよかったからです。それ以外の理由は特にありません。


人によっては知ってる先輩がいるとか、スポーツが盛んだからとか、進学校だからとか、いろいろ理由があるようですが、私は特に深い理由はなく適当に決めました。


そんなものだから、受験勉強に対してもまったくやる気がなく、家での勉強時間はほとんどなかったように記憶しています。勉強していたのは主に塾だけで、家に帰って勉強することはありませんでした。


勉強しないといけないな〜とは思いながらも、高校に受かりたいという気持ちもあまりなく、適当にどこか受かればその高校に行くつもりでした。





そんなことを考えていたら1月になり、私立高校の受験が始まりました。


最初に受けた私立高校は難易度の低いところだったので、まぁ受かるだろうと思って受験しました。


実際に受けてみると、まったく解けない数学の問題が出てきて焦りました。こんな問題どうやって解くんだ?と悩み続け、結局解けないまま試験は終わりました。


合否は学校で知らされました。放課後一人ずつ部屋に呼ばれ、合格した人は合格通知を受け取り、不合格の人は不合格を口頭で知らされるというものでした。









結果は合格でした。まわりの同級生も受かっていて、とりあえず滑り止めを確保したという雰囲気でした。私も同じような気持ちでした。




2月に入り、もう一つの私立高校を受験しました。


特に困難もなく合格し、行ける高校の選択肢が増えました。あとは第一志望の公立高校の受験に向けて勉強するだけ。まわりの同級生も同じ状況でした。




公立高校はこれまでの高校よりも難易度が高いので、気合いを入れて勉強し直しました。


…ということはなく、まったく勉強しませんでした。塾ではしていましたが、家では勉強していませんでした。ほんとに受かっても落ちてもどうでも良かったのです。


高校に興味はないし、自分の人生について特に考えたこともなかったので、自分の受験の合否に関心がありませんでした。


普通の人は受験に対して真剣になって、不安になったりするのかもしれませんが、私はまったくありませんでした。受かったら公立高校へ行くし、落ちたら滑り止めへ行く。それだけだと思っていました。





そして3月になり、公立高校を受験しました。


手応えは特になく、受かったのか落ちたのかわかりませんでした。繰り返しますが、受かったらこの高校に進学するし、落ちたら滑り止めに進学するだけなので、受かっても落ちてもどうでもいいと思っていました。





合格発表当日になり、受験した高校に結果を見に行きました。


まわりには受験生が集まっていて、同じ中学の同級生も何人かいました。


受かっても落ちてもどうでもいいと思っていましたが、結果は受かっていました。


が、となりにいた同じ中学の同級生が落ちていました。






どうでもいいと思っていた自分が合格して、おそらく真剣に受かりたいと思っていたであろう同級生が落ちていました。


そのときの私はすごく複雑な感情になりました。文字で表現するのは難しいですが、世の中に対する理不尽さを感じました。


思いのない人間が試験に合格し、思いのある人間が試験に落ちる。試験とはそういうものなのだと思いました。思いの強さで試験の合否は決まらない。




あとから知りましたが、同じ中学から受験した同級生は、半分の人が受かって半分の人が落ちていました。落ちた半分の人のうち、真剣に公立高校に受かりたいと思っていた人はどれくらいいたのでしょうか。


勝手な推測になりますけど、私以外は全員真剣に受かりたいと思っていたのではないでしょうか。少なくとも、私よりは合格したい気持ちが強かったのではないかと思います。


そんな中で、どうでもいいと思っていた私が受かった。






世の中はそういうものなのだなと思いました。