今日は散歩にでかけた。
いつも着ている黒いダウンジャケットとジーパンに着替えて、紺色の靴下を履く。玄関でスニーカーを履いて家のドアを開けると、冷たい空気を浴びた。暖房のない玄関も寒いけれど、家の外はもっと寒い。肌がチクチクする。寒さに耐えながら目的地の公園まで向かう。
昨日積もった雪が溶け始めて、アパートの屋根から水がぽたぽたと落ちている。今日は2日ぶりに太陽がでているので、どんどん雪が溶けて水になっている。
息が白い。
少し歩くだけで、自分に体力がないのがよくわかる。目的地の公園までは歩いて5分くらいなので、体力がなくなることはないけれど、疲れるのは嫌だ。
水を含んだ雪をシャリシャリ踏みながら、雪かきするおばさんを横目でチラ見する。本当は自分も家のまわりを雪かきしないといけないけど、ご近所さんにわざわざニートがいることをアピールすることになるので、やりたくない。雪かきする作業自体はきらいではないので、やりたい気持ちはあるけれど、やっぱり人目につくようなことはしたくない。
冬になるたびにいつも思うけど、雪はどうにかならないのだろうか。
これだけ科学が進歩しているのに、雪による被害が毎年絶えない。雪かきをしなくてもいいような道や家をつくることはできないのだろうか。どうにかして、賢い人。
そんなことを考えていたら公園に着いた。
公園の雪はまだ溶けていなくて、ベンチにもすべり台にも雪が積もったままだ。雫が落ちるすべり台から離れたところで、子どもたちが3人で遊んでいる。よくわからないけれど、はしゃいでいて楽しそう。
子どもの近くに母親がいることを確認した私は、顔を合わせないように踵を返した。公園に行って何かしたかったわけではなく、ただ行ってみたかっただけなので、これでいい。これで満足。
歩いてきた自分の足跡を見ながら、ゆっくりと家へ向かって歩く。
帰り道におばさんはいなかった。人の気配がなかったので、上を見上げてみると、毎日通っていた通学路の景色が目に入ってきた。
自分は変わった。
性格は変わっていないけれど、精神的な何かが変わった。学校に通っていた頃は目標があったけれど、今は何もない。目標を決めてもつらくなるだけなので、目標は決めない。ただ目の前にあるできそうなことをこなしていくだけだ。自分にとってそれがちょうどいい。
あったかい飲み物がほしくなったので、家に着いてからココアを飲んだ。散歩にでてよかった。外の空気を吸うと少し楽になるし、リフレッシュできる。
また近いうちに散歩にでよう。
そんなことを家で妄想した1日だった。