「ドラえもん学」横山泰行 を久しぶりに手にとった

今回は書評ではなく思い出話です。



実はこの「ドラえもん学」は私が人生で初めて読んだ新書です。



私の両親は全く本を読まない人間なので、家に本というものが一冊もありませんでした。



私は小学生の頃に「ちきゅうのなかみ」という文字の多い本を読もうとしたことがあるのですが、文字を読むという行為自体が苦痛になり、3ページ目で読むのをやめました。それ以来、本アレルギーになりました。漫画は少し読んでいました。



中学生の頃、朝に本を読む時間があったので「キノの旅」というライトノベルを買って、読んでいました。それが私の唯一読む本でした。それ以外の本(漫画は除く)を国語の時間以外に読むことはありませんでした。



文字だらけの本は、完全に拒絶していました。読む気が起きませんでした。



そんな私が、何故か突然文字だらけの本を買いました。当時高校1年生でした。(完全に気まぐれ)



特にドラえもんが好きというわけでもないのに「ドラえもん学」という新書を買いました。ドラえもんという名前が入っているので、わかりやすいだろうと思ったのです。



しかし、当時の私には理解できませんでした。わかりやすくありませんでした。



何故、「ドラえもん学」(PHP新書)を選んでしまったのか。新潮新書とか光文社新書とかにもっと読みやすくて内容も身近でわかりやすい本があるよ、と当時の私に教えてあげたいですが、誰もそんな導きをしてくれる人はおらず、本の知識のない私は、このややこしい本を買ってしまいました。



まず、読み始めてみてみると、絵が一向に出てきません。ずっと文字ばかりです。(当たり前)



1ページめくり、2ページめくり、3ページめくっても、文字だけ。目次に挿し絵。



4ページめくり、5ページめくり、6ページめくっても、文字だけ。7ページめくると第1章の挿し絵。



なんとか読み進めて、20ページまで到達したが、内容が頭に入ってこない。



30ページに到達した段階で、寝転がりながら読むようになりました。



40ページに到達した段階で、読むことを諦めました。



あまりにつまらなくて、面白くなくて、内容が理解できなくて、投げました。





文字通り、投げました。軽く。





手のひらから滑り落ちるように、投げました。





カサカサと音を立てて、本は床へ落ちました。





それ以降、この本は行方不明になり、所在がわからなくなりました。(捨てた)





それから私が高校を卒業するまで、本を読むことはありませんでした。私が本を大量に読むようになるのは20歳を超えてからです。







そんな因縁のある「ドラえもん学」(PHP新書)を久しぶりに手にとってみました。



パラパラとめくってみましたが、やっぱり面白くなさそうです。でも、せっかくなので今度感想でも書こうかと思います。



因縁にケリをつけたいと思います。