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「ゲノム編集とは何か」小林雅一 を読んだ感想

科学・テクノロジー

本書は、最近注目されている、クリスパー・キャス9(CRISPR-Cas9)というゲノム編集技術について書いたものである。


ゲノム編集とは、特定の遺伝子をピンポイントに操作することで、(聞き馴染みのある)遺伝子組み換えも、遺伝子の操作を行うが、特定の遺伝子をピンポイントに変えることはできない。


ゲノム編集は特定の遺伝子を変更できる、これまでの遺伝子組み換え技術を凌駕する、画期的な技術だそうだ。


さらに、(私は、生物学に詳しくないので良くわからないが)遺伝子を変更するだけでなく、ゲノム(DNA)を全て変更できる技術だそうだ。


どうやら、遺伝子とは、ゲノムに内包されている関係であるようで、式にすると


ゲノム=DNA>遺伝子


らしい。



ゲノム編集技術の中でも、特に優れているのが、 クリスパー・キャス9(CRISPR-Cas9)と呼ばれるシステムである。従来の遺伝子組み換えでは、

  • 複数のステップが必要
  • 厳しい制約がある
  • 成功確率が低い(100万分の1)
  • 汎用性に乏しい


など開発のコスト・期間共に大きな負担をしいられていた。



しかし、 クリスパー・キャス9(CRISPR-Cas9)は

  • ピンポイントで遺伝子編集が可能
  • 一度に複数の遺伝子を編集可能
  • シンプルで扱いやすい
  • 成功確率が高い(数回に1回)
  • どんな動植物にも応用可能


と、極めて優れている。


これまで何年もかけて開発を行っていたことを、1ヶ月以内で終わらせてしまう可能性を持っている。らしい。



とんでもない技術だ。


世界の名だたる企業が、この技術に投資をしていて、ノバルティス、デュポン、バイエル、グーグル…どの企業も何百億という莫大な金額を出資している。


ノーベル賞を取るのでは?と本では書かれていたが、2016年の受賞はならなかった。まぁいつか取るのだろう。かなり凄いみたいだし。実際、読んでて凄いと思ったし。


この技術を使えば、がん、パーキンソン病ダウン症などの病気に対して、治療できる可能性がある。さらに、不老長寿も夢ではない。


確かに病気が治るのは、嬉しい。しかし、危険性ももちろんある。


病気の要因となっている遺伝子を特定しても、遺伝子がどう作用して病気を引き起こしているか、というメカニズムまではわからない。遺伝子をなくして病気の発症を抑えても、他の影響がでる可能性もある。簡単ではない。



他にも本では、ゲノム編集によって様々な作物が改良されていると書いてあった。従来の遺伝子組み換え食品では、世間の風当たりが強く、作っても報われない状態であったが、今回のクリスパーによるゲノム編集食品に対しては、今のところ規制も緩く、日本でも広まりそうな雰囲気を感じた。


ただ、海外に遅れをとっているのは間違いないので、もっと研究を進めなければならない。みたい。


私は、クリスパーによって改良された作物に抵抗はないので、ドンドンやってほしいと思います。


ここまで優れた技術が出てきたということは、人間を生まれたときから強化する時代も近いのかもしれません。クリアしなければならないのは、倫理的な問題だけだと思うので、マッドサイエンティストが間もなく作り出すと思います。


SFの世界が現実味を帯びてきたようです。


とても興味深い本でした。


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