本書は、人気タレントだった飯島愛氏の自伝的小説である。100万部以上売れたベストセラーとなっていて、映画、テレビドラマにもなっている。
躾の厳しい家庭で育った飯島愛氏は、毎日のように、習い事に追われていた。学習塾、ピアノ、そろばん、習字…中学校に入ってからは、特に勉強を頑張るようになり、中間や学期末のテストで学年10番以内に入る。
しかし、常に学年1位の同級生をどう頑張っても抜かせず、親から責められる。
努力しても褒めてくれない。「がんばったね」と言ってくれない。そんな状況に嫌気が差して、歌舞伎町へ遊びに出かけるようになる。
やがて、家に帰らなくなり、彼氏の家に住むようになる。しばらくして、彼が働かずに遊んでばかりいることに親が激昂し、住めなくなる。
ー幼い頃から、偉人伝を読まされ続けてきた。けど、伝記の中には、私が憧れたり尊敬できる女性なんて、一人もいなかった。親の期待とは裏腹に、私が初めて尊敬し、目標にしたいと思った人は、ホステスのお姉さんだった。ー
クラブで働きながら彼女は、ディスコへ通うようになる。ディスコで遊ぶために、クラブで働く生活。だが、ゴールデンタイムを仕事で拘束されることが苦痛になり、辞める。
体を使って金を稼ぎ、18才でニューヨークへ旅にでかける。
私が読んでいて、1番印象に残ったのがニューヨークの場面でした。ニューヨークで、フリーオナニー(なんだそりゃ)のイベントに参加するのですが、そこの描写が真に意味不明で、想像を超えていて、とても面白かったです。
ー目の前で繰り広げられているおぞましい光景は、理解を完全に超えていた。ー
私も読んでいて、理解を完全に超えていました。
その後、AVに出演して、テレビに出演して、人気になり、家族にばれ、ハートフルな話があり、この本は完結します。
読んだ感想は、面白かったです。さすが、ベストセラーの本だなと思いました。愛情、家族、アダルト、騙し騙される商売と人間関係、様々な思いがめぐりあい、混ざりあう世界。飯島愛氏の感情が全面に出ていて、彼女の気持ちに寄り添いながらストーリーは進んで行きます。
飯島愛氏自身のことを知ることができ、非行に走って水商売やアダルト産業へ足を踏みいれる人の、人生を知ることができました。
分量も少なくて、とても読みやすく、面白い本でした。
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