「ニートの歩き方」を読んだ無職のひきこもりが感想を書きます。

昔、「たけしのニッポンのミカタ!」という番組に、ニートという肩書きで京都大学卒の男性が出演していたことを覚えている。番組の最後の方でビートたけしが「働けよバカヤロウ!」と怒っていたのが、とても印象に残っていたからだ。


ネットに動画がないか探してみたら、あった。(これには結構ビックリした)


2010/01/08に放送された「たけしのニッポンのミカタ!」7分74秒の動画でニートの男性の出演部分だけ切り取られていた。(ただし、CMはカットされておらず、今はなき武富士のCMが入ってた)


動画を観て、2つの間違いが発覚した。

ビートたけしの発言は番組の最後の方ではなく、VTRを観終わった直後であること。

・「働けよバカヤロウ!」ではなく「働けよバカ野郎!」だった。


記憶とは曖昧なものだ。訂正してお詫び申し上げます。


あの日見たニートの方が本を出しているとは知らなかったので、早速読んでみました。


著者pha氏は京都大学に入学するも、ダラダラとした毎日を過ごし、休学2年を含めて6年かけて大学を卒業する。1日2〜3時間働けば仕事が終わるような、かなりゆるい職場に就職するも、【通勤ラッシュが嫌だ】【8時間も椅子に座っているのが嫌だ】【仲良くない職場の人と喋るのが嫌だ】という理由で退職する。その後、ネットを利用して東京でルームシェアを始めるも、働かないので貯金が2年で底をつく。現在はプログラムを書いたり、ブログを書いたりして月収5〜10万円を稼ぎながら生活している。


この経歴を見る限り、かなり堕落した人間であると思われる。受験勉強は得意で、学力はあるけれど、働くのは向いてない変わり者。でも、何故か生活できている。これがネットの力なのだろうか。


本を読む限りでは、著者に嫌な印象は受けなかった。むしろ、嫌なことを嫌だと正直に主張していて、好感が持てた。
つらくない程度に働いて、死なない程度の収入を得ている。困ったことがあればネットで助けを求めて、援助を貰い、感謝の気持ちを忘れない。(著者いわく、感謝の気持ちを忘れないのが1番重要だそうだ)困っている人をネットで見つけたら、助けられそうなら助ける。


テレビ番組では、pha氏は援助を受けてばかりで、誰かを援助することはあるのか?という疑問が出ていたが、pha氏から援助を行うこともあるようだ。


困っている人は、余裕のある誰かが助ける。必要なものは貸し借りしてシェアする。知り合いによって日常的に行われていたシェアの概念が、今はネットというツールを用いて広く行われている。


世間のイメージしている真っ当な人生を生きている人からすると、反感を買うかもしれないが、これはこれで、面白い人生だと思う。


知らない世界を知ることができた本でした。