新幹線が開通すると地域の生活が悪化する?

私はAbemaTVのニュース番組AbemaPrimeが好きで時々観ています。以前番組で、新幹線を地方にも造るべきか否か、という題材で討論をしていました。経済の活性化のために新幹線を開通するべきだ、という意見と、新幹線によって地方の鉄道が潰れてしまうので地域住民の生活のために開通させるべきではない、という意見が挙がっていました。


新幹線によって、都市から地方への移動がしやすくなり、全体の経済が活性化する。が、地方から地方への移動がしにくくなり、部分の経済は悪化する。らしい。


コメンテーターの若新雄純氏は出身である福井県を例にあげて、

北陸新幹線福井県まで開通した場合、東京から福井への経済的利益は増加するだろう、しかし、元々福井は京都・大阪などの関西圏からの経済的利益によって潤っている面がある。新幹線の開通によって在来線のJRがなくなると、関西圏↔福井への移動はしにくくなる。さらに福井↔石川への移動も価格上昇が起こり、しにくくなる。
地域活性化と銘打って、新幹線を地方へ開通させようとしているが、地域の足である(採算の取れていない)在来線は新幹線によって撤廃される。
新幹線によって地域の生活が悪化する可能性を説明しないで、新幹線を開通させるのは良くない。


(記憶を頼りに書いているので間違っている部分があるかもしれないが)このようなことを言っていた。




新幹線を開通させるということは、【観光客を呼びやすくする】目的があるのだろう。観光客の増加によって、経済の活性化が起こるのは正しい。が、【観光客の増加】と【地域住民の生活】は必ずトレードオフの関係になる。観光客向けのインフラは地域住民にとって障害になる。



北海道に「哲学の木」という観光名所があった。緩やかな丘の上に1本のポプラの木が植えてあり、首を傾げて考えているように見えることからこの名前が付けられ、人気スポットだった。しかし、この木は2016/02/24に重機によって倒された。理由は2つ【木が弱っていた】ことと【観光客のマナーが悪かった】ことだ。

元々「哲学の木」は、私有地である畑に植えられていた。綺麗な写真を撮るには、(勝手に)私有地へ入り、(畑を荒らしながら)絶妙なアングルを探さなければならない。周りに農作業をしている人もいて(プライバシーとか気にしないで)勝手に写真に収める人もいた。

全員がそうではなかったと思いますが、一部のマナーの悪い観光客のせいで、農家の方に大変な迷惑がかかっていたようです。せっかく遠いところまで来てくれているから多少のことは我慢しよう、という考えでこれまで放置されていたようですが、いよいよ耐えきれなくなり伐採に至ったそうです。

観光客が来ることによる経済的利益はあったのでしょうが、農家にはその利益が回ってこなかったのでしょう。



新幹線のニュースを聞いても、あぁなんか良いニュースなんだなぁ〜くらいに思っていたことが、都市と地域の経済発展と衰退に密接に関わりがあることを知ることができて、とても勉強になりました。


AbemaPrimeありがとう